「後藤奇壹の湖國浪漫風土記」に、ようこそおいでくださいました<(_ _)>
繁忙でなかなか取材に出向くことが出来ない今日此頃ですが、そのような中にあっても、資料と情報の収集だけは何とか継続しております。
そんな資料と情報の収集活動で出逢ったとても興味深い書籍が、沢山ございます。今後折に触れ、『湖國浪漫文庫』という新たなカテゴリーで、新刊・既刊・絶版を問わずご紹介して参りたいと存じます。
第1回は『滋賀県方言語彙・用例辞典』(サンライズ出版)をご紹介致します。
これまで“滋賀の方言”を題材とした図書はちらほらと刊行されてはいるのですが・・・こんなお堅い(笑)本は、図書館関係者や研究者でもない全くの個人で買っているのは、“私”くらいのもんじゃないでしょうか(^^)

この本に初めて出逢ったのが、今から20年前の2000(平成12)年。滋賀県方言語彙・用例辞典という何とも仰々しいというか、誠にお堅いタイトルに興味を持ち、人気(ひとけ)の少ないとある老舗の書店でちょいと立ち読み。
挨拶文も無ければ挿絵も無い、まさかの辞書形式。しかし読み進めていくと実に面白い。
「何なんだこの本は・・・」といぶかしげに感じつつも、無性に気になる。「よし買ってやろう!」と価格を見るべく本をひっくり返せば、お値段なんと3,990円也。財布には(いつものように)僅かばかりの小銭のみ・・・ あえなく断念 <(ToT)>
あれから20年(綾小路きみまろ調に)・・・この本のことはすっかり忘れておりました。
先日何がキッカケであったかは忘れてしまいましたが、知人と「滋賀の方言」について色々と話をしておりました。その時、偶然思い出したのがこの本のこと。
早速版元(出版社)のサイトを覗いてみましたところ、既に絶版 <(ToT)>
そりゃそうでしょうねぇ、こんなマニアックな本。恐らく主要な図書館や研究者等に一通り行き渡る程度にしか生産されなかったでしょうねぇ。近隣の書店でも見掛けた記憶はありませんし、Web通販各社でも品切れでした。
ところがどっこい、事態は急転します。
たまたまふらりと立ち寄ったとある書店にそれはあったのです。在庫としてです。しかも新刊としてです。奇跡です ! 極めてミラクルです! ! !
悩みました。ひたすら悩みました。ここ最近出費が嵩んでおります。決して“安い本”ではありません。家計は相も変わらず火の車です。つい先日ボロボロのビジネススーツを12年振りに新調したばかりです。でも資料としての価値は一級品ですし、再販される見込みは恐らく“0%”でしょう。
20年前と同じです。ひたすら悩みました。悩むこと・・・(10分)・・・買ってしまいました(“たいして悩んでないじゃん”というご指摘はご容赦を)。
その後、仕事休みの度に家族打ち揃って食い入るように読んでいます。やっぱり“面白い”です。この面白さは滋賀の土着民でなければ味わえません。我が家はしばらく、この本1冊でレクリエーションできそうです(^^)
因みに小生がこの本を気に入った一節をご紹介致します。もう彼是30年・・・いや40年以上前のことになりましょうか。小生の亡き母方の祖母が時折話していた言葉で、何となくニュアンスは伝わってくるものの、よく意味が理解出来なかったコトバがあるのです。これが掲載されていれば大したモンだと思い探してみたのです。
おっ!早速見つかりました、このコトバです。

エゾクロシイ・・・不快で汚くうるさい
【用例】デパートのホールに、ダンボールを敷いて、エゾクロシイ人が寝てるわ。
お祖母ちゃん、あの人のことがそんなに嫌いだったのね(>_<)
是非図書館で読んでみてください。

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