「後藤奇壹の湖國浪漫風土記」に、ようこそおいでくださいました<(_ _)>
本日から元号が“令和”と改元されました。このタイミングに相応しいお話はないものかと色々思案しておりましたら、職場のご利用者様の世間話にヒントを得ることが出来ました。天皇家(皇室)ともゆかりの深いこの地のエピソードをご紹介致したいと存じます。
今回は滋賀の中央部、琵琶湖東岸の近江八幡市に佇む長命寺山にございます姨綺耶山 長命寺(いきやさん ちょうめいじ)についてお話を致したいと存じます。
長命寺・・・何ともご利益が解りやすいですね(笑)。その名の通り、長寿・長命にご利益のある寺院です。琵琶湖岸にあって比較的標高のある山がとても特異に感じますが、戦国時代以前のこの一帯は奥島(おくしま)と呼ばれる琵琶湖最大の島でした。

昨今規模の大きな寺院は、何処とも「拝観料(一部では志納料とも)」を徴収されるのですが、ここは今も昔も自由拝観。「不思議だなぁ?」と思いつつ入山しましたが、その理由はすぐに解りました。
何と“お遍路さん”を送迎するマイクロバスやマイカーで山麓駐車場はごった返しています。
それもそのハズ、ここは西国三十三箇所第31番札所。寺院の維持管理に見合う参拝者が定常的に訪れているのです(それでも素晴らしい!)。

麓から登れば死ぬ思いで808段の階段をクリアせねばなりませんが、中腹まで通じる林道(大型車通行不可)を利用すれば残り130段程で到達できます。林道には慌ただしくお遍路さんをピストン輸送するタクシーで一杯!普段から運動不足の私は残り130段でもかなりキツく・・・軽々と登られる年配のお遍路さんに優しくお声掛けいただく始末でございました(苦笑)。
ではここからが本題でございます。長命寺の由来は、今から約1900年前のこと。
大和朝廷初期に大臣として仕え国政を補佐したと伝えられる伝説的人物・武内宿禰(たけのうちのすくね)が、この地で長寿を祈願したのが始まりなのだとか、

その後、宿禰は300歳を超えて生きたのだそうです。
「マジかいな?」というツッコミはご容赦を。あくまでも“伝説”ですので。
その宿禰が長寿を祈願したと伝えられるのが、本堂裏にある六処権現影向石(ろくしょごんげんようこうせき/別名:祈願石)と呼ばれる巨大な石の上であったとされています。

何となく“松茸”にも似た形ですが、幾歳月の風雨に耐え、絶妙のバランスで鎮座しています。この自然がもたらす奇跡も、 武内宿禰 が成せる霊験なのかも知れません。
今回はこの辺で。次回は長命寺命名の起源と、更なる“長寿”エピソードをご紹介致します。
◆長命寺
滋賀県近江八幡市長命寺町157番地
【TEL】0748-33-0031

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