Monthly Archives: 9月 2015

我が故郷の戦争遺産“戦時國内捕虜の闘い(3)”

「後藤奇壹の湖國浪漫風土記」に、ようこそおいでくださいました<(_ _)>

 

少々回り道を致しましたが、今回は戦時國内捕虜の闘いの第3弾をお届けいたしたいと存じます。

 

大阪俘虜収容所第8分所【捕虜収容所補給作戦 所載】野洲市北部。琵琶湖にも程近く、家棟川(やのむねがわ)に隣接する野田(のだ)の集落には、広大な田園地帯が広がります。

 

その中に周囲の風景には不似合いな、大きな規模の墓地があります。ここにはかつて大阪俘虜収容所第23分所がありました。

 

播磨分所(兵庫県相生市)のオランダ兵捕虜200人(大半がオランダ植民地下の徴用インドネシア人で本国兵は10人程度、後に4人転出)を事実上疎開させるために、昭和20(1945)年5月18日に開設(8月に第8分所に改称)。

 

野田沼干拓地と大阪俘虜収容所第8分所跡使役者は滋賀県で、捕虜たちは野田沼(のだぬま)の干拓事業並びに干拓地の農作業に従事していました。なお事業自体は昭和18(1943)年より着手されています。

 

整備された農地は395,000㎡。3箇所の俘虜収容所の兵士たちが従事した干拓事業の中では、最も規模の小さいものでした。

 

しかし家棟川が天井川(川底が周辺の平面地よりも高い河川)ということもあり、内陸の沼地ではありましたが低地で出水も多かったことから、工事は決して容易なものでは無かったようです。

 

野田沼排水機場跡現在でも、当時野田沼から家棟川へ排水するための排水機場(ポンプ施設)が残っています。建物の中には排水機器もそのままになっており、往時を偲ぶ貴重な施設です。

 

こちらも戦時下の労働力並びに技術者不足という事情もあって、完成したのはスタートしてから8年後の昭和26年。

 

結果として意図されていた戦時中の食糧増産には間に合いませんでした。

 

家棟川ですが、彼等の干拓事業での過酷な労働は戦後日本の食糧事情改善に大きく貢献することとなります。終戦時、1人の死者も出ることなく解放されたのは幸いでした。

 

こちらの収容所は捕虜と監視兵並びに近隣住民が比較的良好な関係を保っていたためか、混乱もなく収容者は送還されていきました。

 

また終戦直後、連合軍(アメリカ空軍)のボーイングB-17戦略爆撃機により、捕虜に対して補給物資のパラシュート投下が実施された際にも、近隣住民に食料等が好意的に提供されたそうです。

 

収容所井戸役割を終えた収容所は破却され更地となりました。その後、サーカスや芝居小屋が招致され、一時期周辺地域の娯楽の拠点として機能していました。

 

しかし昭和28年に旧野田村の共同墓地へと転用されました。

 

現在墓地には当時使用されていた井戸が残っており、今でも水を湛えています。他の2施設が当時の面影を完全に消失しているのに対し、ここは排水機場跡も含め貴重な戦争遺産を今に伝える唯一の存在です。

 

田舟ここにかつて灌漑や漁場として最適な湖沼が存在したとは到底思えませんが、今でもその片鱗を近辺で垣間見ることが出来ます。

 

右の写真は田舟(たぶね)というもので、湖沼や水郷などで乗用として、また農作物の運搬用として使用されたものです。

 

これらは既に御役御免となったものですが、干拓完了後も水気が多く、舟が必要不可欠であったことを物語っています。

 

【参考文献】 捕虜収容所補給作戦~B-29部隊最後の作戦(奥住喜重・工藤洋三・福林徹 著)

 

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爽風そよぐ湖畔の茶寮 “Pâtisserie café Cherie”

「後藤奇壹の湖國浪漫風土記」に、ようこそおいでくださいました<(_ _)>

 

今回は約1年半振りに“小生の隠れ家”にご招待したいと存じます。


・・・と申しましても、早々「隠れ家的なお店」なんぞ見つかるものではございません。何時ものことながらリサーチゼロの「たまたま発見」したお店でございます。

 

シェリー外観先日妻と奥石(おいそ)神社に参拝しての、その帰り。

 

湖岸道路に出ようと旧安土町(現・近江八幡市)を縦走中、一瞬視界に飛び込んだ(安土で見覚えのない)1軒の洋風建屋。

 

視界に飛び込んできたからには、気になって仕方がない。

 

思わず愛機プリウスを急速両舷停止、180度回頭、面舵いっぱ~いっ!

 

シェリーネームプレートで、到着・・・「はて、何のお店かな?」

 

夫婦共々、恐る恐る接近・・・

 

駐車場入口にネームプレートあり。

 

フランス語は“チンプンカンプン”ですが、どうやら「カフェ」であることは認識出来たので、立ち寄ってみることにしました。


こちらは滋賀県下最大の内湖・西の湖東岸の湖畔に佇む茶寮、Pâtisserie café Cherie
(パティスリーカフェ・シェリー)。何と東近江市(旧八日市市)で長年“街の洋菓子屋さん”と親しまれてきた「お菓子の家 シェリー」の2号店なのだとか。未だ昨年6月にオープンされたばかりなのです。

 

限定メニューボードハーブたちに包まれた玄関の軒先には、「自家製無農薬レモンのレモネード」が数量限定(@_@)

 

兎角レモンテイストに眼がない小生は、喉の渇きも相俟って、興味津々で入店!

 

もう1つのメッセージボードには「日替サンドイッチ」の文字が・・・


これまたサンドイッチ好きの小生。
こちらも捨て難い気持ちでいっばいだったのですが、ランチを済ませた直後でしたので、「次回の課題」ということに((+_+))

 

初めて訪問のお店で、余り欲張ってはいけません(>_<)

 

ショーケース小さなショーケースには、実に華やかで可愛らしいケーキで溢れています。

 

現時点でケーキに関しては毎朝本店から供給されているそうです。

 

でも立派な厨房を備えておられるますし、また店長さんは並々ならぬこだわりをお持ちの方。

 

こちらオリジナルのケーキたちが並ぶのも、そう遠くないかも知れません。


ウッドデッキからの眺望湖畔に立地しているということも去ることながら、上下階共にオープンデッキを備えた開放的な空間レイアウトがこのお店の特徴。

 

「風の家」と呼称するに相応しい雰囲気を醸し出しています。

 

左の写真は1階のテラス席。天候が良ければ抜群の眺望です。

 

店長さんに我儘言って、2階も拝見致しました。


セカンドフロア1階とはまた異った趣。とても落ち着いた雰囲気の空間です。

 

こんなところで時間を過ごせたら、何時間でも読書に没頭出来そう。

 

お店にとっては甚だ迷惑なお客ですがね・・・(>_<)

 

さて雰囲気の良いお店というのは確認しました。さて次は肝心の「お味」です。


泣く泣くサンドイッチを断念した小生は、「お茶」することに致しました。

 

レモネード&りんごの木勿論オーダーしたのは自家製無農薬レモンのレモネード

 

お供のお菓子はりんごの木という名のパイケーキをチョイスしました。

 

独断と偏見ではありますが、「和食は出汁、洋食は卵、お菓子はリンゴの扱いに長けた料理人は間違いない!」と考える小生。

 

まずはレモネード。優しい酸味と仄かな甘みがベストマッチ。後味もすっきりで、暑気払いの飲み物としては最適!

 

続いてりんごの木。こちらも甘さ控えめで、しっとりとした果肉と生地のハーモニーが絶妙です!

 

焼菓子・自家製無農薬ジャムコーナーお味も間違いないお店です。

 

カフェのメニュー内容や組み合わせ、価格設定は未だ発展途上の感がありますが、今後に期待大です(^^♪

 

他にも焼菓子や無農薬ジャムなどを提供されているのですが、最後に小生のイチオシをご紹介します。


少しページを戻っていただいて、写真のケーキプレート上をご覧ください。花の形をした「何やら」を確認出来るかと存じます。

 

特製メレンゲコレ、メレンゲなんです。

 

実は小生、「大のメレンゲ嫌い」。理由は卵白の臭いとコリコリとした食感。

 

でもコチラのメレンゲは“眼から鱗”!

 

最初は固く感じるのに、口に含んだ途端溶けてしまうのです。卵白感は全く無く、まるで綿菓子を食べているような感覚なのです。

 

店長さん曰く、「私もメレンゲが苦手で、改良を重ねたらこんな感じに仕上がりました」とのこと。店長さん、なかなか侮れません。

 

店頭でも120円で販売されており、お土産にも最適。小生も思わず買い求めました。おススメでございます)^o^(

 

帰り際、「テラスから眺める西の湖の夕陽はとても綺麗ですよ」と教えて戴きました。今度は天候の良い夕暮れ時に訪問しようと思います。これからは行楽に最適の季節。行程の途中に組み込んでみてはいかがですか?

 

Pâtisserie cafe Cherie

・滋賀県近江八幡市安土町下豊浦5017-1
【TEL】  0748-25-0305 (※八日市本店)
【休業日】   不定休
【営業時間】 10:00~19:00 (※ラストオーダー18:30)
【facebook】 お菓子の家 cherie

 

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