Monthly Archives: 8月 2015

梅小路蒸気機関車館 Last Run!

「後藤奇壹の湖國浪漫風土記」に、ようこそおいでくださいました<(_ _)>

 

さよなら梅小路日本最大の規模を誇る蒸気機関車(以降、蒸機と略)の殿堂、梅小路蒸気機関車館

 

この国内屈指の蒸機の聖地が、来る8月30日(日)をもって閉館することになりました。


開館されたのは昭和47(1972)年10月10日。日本国有鉄道により日本の鉄道開業100周年を記念して整備。

 

それから実に43年もの間、ファンを魅了し続けてきました。

 

梅小路の保存機たち開館当初は16輌であった保存機も、現在は20輌の大所帯となりました。

 

今、扇形機関庫に保管されている蒸機は、閉館イベントの一環として前出し展示されています(一部庫内・屋外展示のものもあります)。

 

ズラリと並んだ蒸機は圧巻ですョ!

 

隣の滋賀という眼と鼻の先に住んでいながら、小生がこの憧れの梅小路に初めて訪問したのは意外にも高校3年生という遅いデビュー。

 

C56形160号機その時のSLスチーム号の牽引機は、今でも忘れぬC56形160号機

 

3歳の頃、おぼろげに記憶に残る北海道で見たD51形の貨物列車以来。実に15年振りの現役蒸機との邂逅でした。


そのC56形も長年の酷使が災いし、2017年(平成29年)を目処に現役を引退する予定。

 

いつかは巡ってくる定めとはいえ、実に寂しい限りです(T_T)

 

D51形200号機C56形の後継として、長年構内運転を続けてきたD51形200号機に白羽の矢が当たりました。

 

現在本線復帰に向けてオーバーホールが行われているため、現在バラバラになっています。

 

ついでに小生の大好きなC61形2号機も、オーバーホール中につきバラバラ。

 

個人的にはこちらも本線復帰して貰いたいものです。

 

8620形8630号機閉館に向けてSLスチーム号牽引のトリを務めるのは、大正生まれの古典機・8620形8630号機何と御年101歳の大御所です!

 

JR九州のSL人吉で活躍しているハチロクくん(8620形の愛称、決して某トヨタの自家用車のことではありません)よりも8歳もお兄さんなのです。

 

いまさら閉館理由をここでご紹介するまでもないのですが・・・

 

梅小路蒸気機関車館.資料展示館(旧二条駅舎)来年春にオーブンする京都鉄道博物館としての展示ブースエリアとしてリニューアルされることになりました。

 

ただ梅小路という名称は消えてしまいますので、それに伴う閉館(ラストラン)なのです。

 

施設自体は残りますが、雰囲気は大きく変わるでしょうね。

 

最後にコアな情報を2つ。

 

梅小路蒸気機関車館閉館記念入場券梅小路蒸気機関車館では、先着40,000名限定で硬券切符風の閉館記念入場券を配布しています。

 

これはなかなかのコレクターアイテムですョ!

 

色々な意味で全てがもう残り僅かですが・・・

 

梅小路機関区時代の面影を色濃く残す情景に接することが出来るのは今月限りです。

 

是非その旧き佳き姿を眼に焼き付けにお越しください(^^)/

 

あともう1つは、この過渡期だからこそ見ることが出来る風景。

 

展示予定車輌現在着々と京都鉄道博物館の新たなブースの建設工事が進められています。

 

先頃閉館した大阪の交通科学博物館から搬入された車輌たちが、角度によってはチラリと覗き見ることが出来る場所があります。

 

そんなチラリズムやらピーピーングトムやら的スポットを探してみるのも、また一興です(^^♪

 

とはいえ蒸機三昧が愉しいのは、マニアックなおっさん(小生含む)や元気なボーイだけでしょう。そこでお母さんや小さなお子さんに朗報!

 

お隣の京都水族館とのコラボで「京都水族館」×「梅小路蒸気機関車館」 記念共通入館券(大人のみ)を発売中。またJR西日本×京都水族館共同イベント『発車オーライ梅小路!』も開催中。鉄道車輌にそっくりの生き物の展示など、水族館と鉄道のコラボレーションが楽しめます。

 

そこまでハードなイベントはいらん!という方にはコチラ。

 

市電ひろば梅小路公園には昨年3月8日にオープンしたすざくゆめ広場市電ひろばがあります。

 

昭和53(1978)年9月30日に廃止された京都市電を偲ぶメモリアルスペースとして、また市民や観光客の憩いの場として開設されました。

 

広場にはかつて市内を走行していた4輌のチンチン電車を設置。

 

カフェ・グッズショップ・休憩所が設けられています。

 

チンチン電車N電27号またGSユアサの全面協力により、リチウムイオンバッテリーを動力源としてレストアされたN電27形が構内走行を実施。

 

土・日・祝日のみの運行(10;00~16;00/20分間隔)ですが、片道150円で300mのゆったりとした小さな旅を満喫出来ます。

 

蒸機の大きなドラフト音や警笛が苦手な方におススメです。

 

この夏最後の想い出に、ご家族揃ってパワー(がみなぎる)スポット・梅小路三昧の1日はいかがですか?

 

梅小路蒸気機関車館

・京都市下京区観喜寺町
【TEL】  075-314-2996
【営業時間】   10:00 ~17:30(入館は17:00迄)
【入館料】  大人410円/ 小人100円

 

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L’hirondelle de anniversaire gâteau 2015

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すっかり私たち家族の欲道の餌食(?)と化したケーキ屋さん、sweets&cafe L’hirondelle

 

原則追加料金なしでオリジナリティ溢れるケーキを用意して戴けるのにかこつけて、今年も無理難題を押し通す季節がやって参りました(^_^)

 

特急つばめヘッドマークさて今回オーナーさんに課したミッションは、このオブジェクトをモチーフにしたケーキを作ること。

 

 

国鉄時代、かつて東京~大阪間で活躍した豪華特急つばめのヘッドマーク。

 

 

コレをモチーフにしたケーキをお願い致しました。

 

 

さて今回何故に「つばめ」がテーマなのか???

 

昨年の今頃のこと。オーナーさんに「ケーキでコラボしましょう!」などと唐突な発言。

 

店名の「L’hirondelle(リロンデル)」はフランス語でつばめ。“一休さんのとんち”よろしく、短絡的にイメージが浮かんだのです。

 

つばめバースデーケーキそして相も変わらず、丸投げしてしまいました(嗚呼、何時まで経っても厄介な常連客)・・・。

 

その結果生み出されたのがコチラ!

 

オーナーさん、何時もながら「素晴らしい出来」でございます(^_^)v

 

いくら丸いとはいえ、ヘッドマークなんぞケーキにしようなんてヤツはいませんわな。

 

小生が生まれた頃には既に廃止されていた特急「つばめ」。よって実際にこの眼で見ることは叶いませんでした。当時はさぞ羨望の眼差しで、人々からの視線を集めていたでしょうね。

 

スワローエンゼルC62形2号機かつて特急「つばめ」を牽引していた蒸気機関車C62形2号機。

 

除煙板に「つばめ」のマークをあしらい、スワローエンゼルと呼ばれ現在でも特別な存在としてファンの高い人気を誇るこのカマ(機関車)は、今でもその雄姿を京都で見ることが可能です。

 

先日も久々にご挨拶して参りました。

 

「見たことのないものを懐かしく感じる」のも可笑しな話ですが、日本が素晴らしく輝いていた時代に想いを馳せることが出来ました。

 

これだけ手を掛けて(焼いて?)頂いても、変わらず6号(18cm)で3,000円(税込)なのですから、皆さんもオーナーさんのテクニックに挑戦してみては如何ですか?(オイオイ)

 

ちなみに、少なくとも(定休日を除いた)7日前までにはご相談ください。あと原稿となる写真や絵をご持参くださいとのことです。

 

さぁ、また来年に向け新たなネタを考えませんと(^_^)v

 

※営業時間が変わりました。あと最近は夕方あたりでケーキが完売する日も出て
参りましたので、ご来店はお早めに<(_ _)>

 

sweets&cafe L’hirondelle

・滋賀県彦根市甘呂町264番地5
【TEL】  0749-49-3757
【営業時間】   (水・木曜日)   12:00~20:00
           (金・土・日曜日) 12:00~22:00
【定休日】  月曜日・火曜日

 

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我が故郷の戦争遺産“戦時國内捕虜の闘い(2)”

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今回は戦時國内捕虜の闘いの第2弾をお届けいたしたいと存じます。

 

JR能登川(のとがわ)駅から西に約2kmの地点にある東近江市伊庭(いば)町。内湖に面し田園が広がる風光明媚なこの場所に、かつて大阪俘虜収容所第24分所がありました。

 

大阪俘虜収容所第9分所【捕虜収容所補給作戦 所載】大阪本所と播磨分所(兵庫県相生市)の捕虜301人(アメリカ兵109人・オランダ兵69人・イギリス兵67人・オーストラリア兵55人・ニュージーランド軍医1人)を事実上疎開させるために、昭和20(1945)年5月18日に開設(8月に第9分所に改称)。

 

県下に設置された収容所の中では最大の規模でした。

 

使役者は滋賀県で、捕虜たちは小中(しょうなかのこ)の干拓事業に従事していました。なお事業自体は昭和17(1942)年に県営事業として計画が決定。昭和19(1944)年4月から農地開拓営団により着手されています。

 

弁天内湖干拓地小中湖は当時滋賀の内湖としては最大の規模を誇った大中湖(だいなかのこ)の南に位置し、西の湖・弁天内湖・伊庭内湖の3つを総称してそう呼ばれていました。

 

干拓の対象となったのは、弁天内湖伊庭内湖の2箇所。整備された農地は3,421,000㎡に及びました(西の湖の干拓は小規模に止まり、現在県下最大の内湖として残っています)。

 

こちらも戦時下の労働力並びに技術者不足という事情もあって、完成したのはスタートしてから5年後の昭和22年。結果として意図されていた戦時中の食糧増産には間に合いませんでした。

 

伊庭内湖干拓地ですが、彼等の干拓事業での過酷な労働は戦後日本の食糧事情改善に大きく貢献することとなります。終戦時、1人の死者も出ることなく解放されたのは幸いでした。

 

終戦直後、連合軍(アメリカ空軍)のボーイングB-17戦略爆撃機により、捕虜に対して補給物資のパラシュート投下が実施されました。

 

捕虜の数人が近隣の子供達を集めて、ガムやチョコレートを分け与えたとか。当時の子供達のおやつと言えばトマトや米菓といったものだったので、大変珍しがったそうです。

 

大阪俘虜収容所第9分所跡また監視兵による暴力も横行していたようで、戦後捕虜や進駐軍の報復を恐れて逃亡を図る者、アメリカ第8軍軍事法廷(横浜裁判)でBC級戦犯として有罪となった者もいたと伝えられています。


現在、僅かに残った伊庭内湖の一部(須田川)に隣接する金毘羅神社より東側の一帯に、かつて収容所が設置されていたとされています。

 

こちらも今や当時を偲ぶものは何ひとつ残ってはいません。

 

【参考文献】 捕虜収容所補給作戦~B-29部隊最後の作戦(奥住喜重・工藤洋三・福林徹 著)

 

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