“お伊勢参らば お多賀へ参れ”

「後藤奇壹の湖國浪漫風土記」に、ようこそおいでくださいました<(_ _)>

 

 

小生生粋の日本人でございますから、神様に新年のご挨拶と感謝の誠を捧げねばなりません。

 

 

さて天候は今にも雪が降りそうな曇り空。

 

 

痩せ我慢せずにジャンパーかコートを羽織ってくれば良かったと思う程の冷たい空気・・・此度新年の参拝をいたしましたのは、月並みながらお多賀さん(多賀大社)でございます。

 

 

いつもは臨時駐車場からの往復しかしませんが、今回は近江鉄道・多賀大社前駅から絵馬通(多賀大社門前通)をそぞろ歩くことといたしました。

 

 

この通り沿いには「糸切餅屋」と「土産物屋」しかないとばかり思っていましたが、旅館や料亭、精肉店にうどん屋に書店まであるんですね。何十年もこの道を通っていて今回初めて気付きました。お恥ずかしい限りです(苦笑)。

 

 

多賀大社新春風景正月三ヶ日が明けたというのに、結構参拝者がいらっしゃいます。 まだ大雪の痕跡がちらほらと残っていますが、年越し参りの時はさぞかし混雑していたことでしょうねぇ。 さてここで問題! こちらの御祭神はどなたでしたでしょうか? おさらいですよ~~(^^)

 

そう!伊邪那岐命(イザナギノミコト)と伊邪那美命(イザナミノミコト)ですよね。

 

“お伊勢参らば お多賀へ参れ お伊勢お多賀の子でござる”

“お伊勢七度、熊野へ三度、お多賀さまへは月参り”

 

信心深いさしもの私でも月参りはなかなか・・・ちなみに“お多賀の子でござる”伊勢神宮の天照大神(アマテラスオオミカミ)のお父さんは伊邪那岐命。でもお母さんは伊邪那美命ではないんですよね~。詳しくは『古事記』をご参照くださいませ<(_ _)>

 

 

さてコチラ、「伏見稲荷」さんではございません。ここは金咲稲荷大明神と申します。

 

 

 

意外にも多賀大社本殿の東側にございます。私もつい最近になって、ここにお稲荷さんが鎮座されているのを知りました。 金咲稲荷はお多賀さんの孫神様にあたられるのだそうです。名前を見て思わず強欲さを前面に 押し出してしまいそうになります(^^)

 

 

 

でもそれでは神様の勘気に触れてしまいますので、心静かに仕事の安泰を祈願いたしました。

 

 

こちらは西参道。多賀大社は表・東・西・北・稲荷の5つの参道からアプローチ出来ますが、ほぼ98%の参拝者が表参道を利用するため、他の参道はとてもひっそりとしています。

 

 

この西参道界隈にはかつて多くの神宮寺(じんぐうじ/日本において神仏習合思想に基づき神社に附属して建てられた寺院)が存在しましたが、明治の神仏分離令で全ての 寺院が破却されたそうです。

 

 

写真左手は「かめや」、右手は「かぎ楼」。ともに江戸時代から続く老舗の料理旅館です。

 

 

で、こちらがかめやのアップ。

 

 

 

よ~くご覧くださいませ。鬼瓦には屋号の「亀」の オブジェがあしらってあります。昔の人はこういうところに粋なこだわりを表現するから素晴らしい!

 

 

 

木造2階建の瓦葺き。正面に入母屋造の破風と切妻造の玄関が設けられたかめやの本館は 1924(大正13)年に築造され、平成13年4月には国登録有形文化財に指定されました 。

 

 

 

向いの明治10年に築造された楼閣調の「かぎ楼」(同じく国登録有形文化財)もなかなか趣深いです。人に例えるなら、「かぎ楼」が妖艶な女将で「かめや」が湯治場の女将。

 

 

う~ん私は・・・湯治場の女将が好みでしょうかね(*^_^*).

 

 

笑門絵馬。絵馬通の大半の家屋が、注連飾りでなくこの絵馬を 玄関に掲げていました。これも初めて見たアイテムです。

 

 

“笑う門には福来る” なかなかの縁起物だなぁと思い、 取扱店舗を探して東奔西走。ようやく店頭に置いてあるところを見付けたのですが・・・お値段、何と2,500円也。

 

 

いつもお財布の中身ピーピーの私には、ちょっと手が出ませんでした(苦笑)。

 

 

こちらは多賀名物・糸切餅のお店の1つ、本家ひしや(菱屋)です。

 

 

参詣道が合流する街角の道標と昔ながらの佇まいが何ともたまりませぬ。糸切餅のお店と言えば、多賀大社門前の「莚寿堂本舗」と「本家多賀や」が2トップなのですが、メジャーどころを紹介しないのが私の真骨頂(^^)

 

 

ここ本家ひしやは、今となっては数少ない全行程完全店舗内手作りの糸切餅を提供している老舗のお店です。他店のモノと比べて糸切餅最大の特徴であるピンクとブルーの線柄の色が濃く、餅がモチモチ(洒落ではありません)しています。

 

 

パッケージも素朴で、昔ながらの味を守っておられます。 「そこまで紹介しておいて何故現物写真がないのだ!」とのご指摘ごもっともです。スイマセン、売切れでした<(TOT)>

 

 

多賀にお越しの際は、多賀大社前駅近くのひしやの糸切餅を是非お求めください((+_+)).

 

 

桜町延命地蔵尊最後に訪れましたのは桜町延命地蔵尊でございます。

 

 

 

蛍光灯やLED電球全盛のこのご時世にあって、白熱灯の柔かな光に包まれた仏様のお姿に接すると、何やらホッとします。

 

 

 

このお地蔵様、江戸時代末期に糸切餅を発案した北国屋市兵衛によって建立されたとか。しかも眼病平癒で有名な木之本地蔵の分身なのだそうです。

 

 

境内では地獄で裁かれる場面と地獄に救いの手を差し伸べる場面が多くの仏様によって再現されており、さながら“地蔵菩薩の一大パビリオン”の様相を呈しています。長寿を願い多賀大社に参拝する人々が、かつてはこちらにも多く訪れていたことを伺わせます。

 

 

いやはや近くに何十年も住んでいても、気付かないことっていっぱいあるもんですねぇ。皆さんも普段クルマで通るだけの界隈や自宅の近所を改めて歩いて回ってみてはいかがでしょうか?新たな発見があるかもしれませんよ!

 

 

ここで、このブログをご覧の皆様に是非ともお願いがございます。 いつもいつも気掛かりなことがございまして・・・神社仏閣にお参りをされる際には、以下のことを是非ともお守りりいただきたいのです。

 

 

おねがい① 神社仏閣にお参りされる前に、どなたが お祀りされているのか事前に知っておきましょう。

② 境内では原則、喫煙・飲食・ゴミのポイ捨て・ その他マナーに反する行為は止めましょう。

③ お願い事は欲を出さず、明瞭簡潔心静かに 感謝の気持ちでもって行いましょう。

④ おみくじは基本的に持ち帰り、励み・戒めと して1年間大切に保管しましょう。

⑤ 観光・ イベントが主要な目的なら、最初から 参拝をお控えください。

 

 

神社仏閣を「自宅」「他所の家」「取引先」などに置き換えて考えれば、至極当たり前のことなのですが、昨今この「当たり前」が励行出来ない人がとても多く、誠に嘆かわしい限りです。ちなみに“おみくじ”に関しては色々と説がございますので、参考までにということで。

 

 

いま世界的に「日本人の精神文化」の資質が問われています。私たち日本人の誇りであった「察しと思い遣り」の心が、今あらゆる場面で崩壊の危機を迎えています。世界に冠たる日本人気質を取り戻すためにも、何卒皆様のご理解ご協力をお願いいたします<(_ _)>

 

 

もちろん自身にも戒めまする(>_<)

 

 

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